この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
素敵な笑顔
第18章 詩 ふたりきり
まったく、ばかにしている。
嫌なら嫌だと、
はっきりそう言えばいいのだ。
それがなんだ?
言うに事欠いて、おばあちゃんが見てます、だ?
もう少しマシな言い訳しろってんだ。
あんまり腹が立ったので、
トイレに行くふりをして彩音を放置してきた。
行くふりだけのつもりで部屋を出たのだけど、
他に行くところもないのでほんとうにトイレに入った。
黒いタイルが敷き詰められた、案外清潔なトイレ。
案外、なんて言うと失礼か。
きちんと掃除が行き届いている感じ。
個室に入り、下着を下ろし、
ペーパーを当ててみる。
やっぱり予想通り。
たぶん彩音は、こんなことにはなっていない。
あたしひとりだけ、ばかみたい。
別にどうってことないわ、って思う。
彩音なんかタイプじゃないし、
飢えているわけでもない。
だいたい、もうひとを好きになるのはやめているのだ。
そうじゃなかったら、
おばあちゃんの病院の看護士さんの誰かを、
とっくに好きになっているはず。
彩音とは、つい魔が差しただけだ。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


