この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
素敵な笑顔
第4章 詩 記憶:温泉旅行
あたしはまだ怖いものを知らない、
無知で愚かな小娘だった。
願いは必ず叶うと信じていたし、
思い通りにいかないことなんかひとつもないって思っていた。
傲慢にも。
実際には、思い通りにいくことなんか、
ひとつもないのに。
思い出してみようとすると、
案外忘れていないものだ。
宿に着き、おばあちゃんが記帳して、
部屋に案内された。
ずいぶんとくたびれた部屋だった。
セピアの記憶のように、全体的に色褪せていた。
でもそれ以上の印象が残っていないのは、
別のところに興味が向いていたからだ。
あたしは全身の神経を尖らせて、
幽霊の気配を探っていた。
部屋の隅の暗がりとか床の間の掛け軸とか。
もしかして、窓の外からこっちを見ていないか、とか。
美香ちゃんが、ここがお化けの出る宿だって教えてくれたから。
それがうそだったのかほんとうのことなのか、
よくわからない。
ほんとうだったとしても、
どうせあたしには見えないのだから、
もうどっちでもいいんだけど。
無知で愚かな小娘だった。
願いは必ず叶うと信じていたし、
思い通りにいかないことなんかひとつもないって思っていた。
傲慢にも。
実際には、思い通りにいくことなんか、
ひとつもないのに。
思い出してみようとすると、
案外忘れていないものだ。
宿に着き、おばあちゃんが記帳して、
部屋に案内された。
ずいぶんとくたびれた部屋だった。
セピアの記憶のように、全体的に色褪せていた。
でもそれ以上の印象が残っていないのは、
別のところに興味が向いていたからだ。
あたしは全身の神経を尖らせて、
幽霊の気配を探っていた。
部屋の隅の暗がりとか床の間の掛け軸とか。
もしかして、窓の外からこっちを見ていないか、とか。
美香ちゃんが、ここがお化けの出る宿だって教えてくれたから。
それがうそだったのかほんとうのことなのか、
よくわからない。
ほんとうだったとしても、
どうせあたしには見えないのだから、
もうどっちでもいいんだけど。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


