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素敵な笑顔
第19章 音 素敵なひと
 「どうぞ」

 詩子さんが言い、さおりさんに場所を譲った。
合掌したまま、さおりさんがおばあちゃんと対面する。
さおりさんはおばあちゃんをじっと眺め、
それから指の背で、おばあちゃんの頬をそっと撫でた。

「冷たい。ほんとに死んじゃったのね」

 不思議そうな顔をする。

「あなたの人生、こんなにかわいい孫たちがいて、
幸せだったのかしら。それとも――」

 言葉が途切れる。
おばあちゃんの色々なことを知っているんだろうな、と思った。

「ま、なんにせよおつかれさま。
私もそのうち行くわ。
また愚痴のこぼし合いでもしましょうね」

 目を閉じて合掌する横顔がキツネっぽくて、
それがすごい色気を放っていた。
素敵なひとなんだってわかる。
だってさおりさんにもついている。
おばあちゃんのあのひとみたいに。
相変わらず、わたしの霊感でははっきりと見えないけど、
姿勢の良さがはっきりと伺える。
スーツがよく似合う、紳士って言葉がぴったりの、
かくしゃくとした佇まい。
さおりさんも、永遠に、
心から愛され続けるんだろうな。
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