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素敵な笑顔
第21章 音 再会
 ああもう、うるさいわね。
絶対に誰にも言わないでよね。
おばあちゃんの遺灰よ。
おばあちゃんに頼まれていることがあるの

 詩子さんは小声で言い、当然わたしは、
頼まれていることってなんですか、と問い続けた。
問う声をだんだん大きくしていくと、
スカートの上からわたしのお尻をぴしゃりと叩き、
ようやく教えてくれたのだった。

 でも案外簡単に手に入ったわ。
駄目って言われたら困るとこだった。
おばあちゃんとの約束が果たせなくなる

 そりゃあ大丈夫でしょうよ、とわたしは思う。
分骨という手続きを踏まずに遺灰を持ち出すってことが、
例え規則違反であろうと、
知らないけど法律違反であったとしても、
詩子さんに、お願いしますと迫られて、
断り続けられる男はそういないと思う。
ましてや極々少量。
黙っていればバレようもない。
詩子さんはさらに周到なことに、
袖の下を用意していたそうだ。
最初に一万円を提示して、最終的に十万円まで。
買収だ。
そしてそれでだめなら、
色仕掛けでおっぱいくらいなら
揉ませてあげようって考えていたらしい。
危ないところだ。あの陰気な男がくそ真面目で、
だめだめ、と突っぱね続けないでよかったと心底思う。
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