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素敵な笑顔
第4章 詩 記憶:温泉旅行
 お食事のあと、
あたしはこてんと眠ってしまったらしい。
気づけば布団に寝かされていて、
窓の外はすっかりと暗くなっていた。
おばあちゃんの姿はなくて見慣れぬ部屋は静かで、
いつ幽霊が出てきても不思議じゃない雰囲気。
畳も障子もいい感じに古びていて、
建物自体も古かったのか、
みしっとかぱきっとか
怪しい物音がしょっちゅうしていた。

 これは期待できるかも、
と布団のなかから気配を殺し、
薄目で辺りを探った。
今思うと、野性動物かよって思うのだけど、
気づかれると逃げられる気がしていたのだ。
でも寝起きのぼうっとした頭がすっきりしてくると、
幽霊が出てきそうな気配は、
霧が晴れるように消えてなくなってしまった。
微かに聞こえる隣の部屋のテレビの音も、
廊下を忙しそうに行き来する仲居さんたちの声も、
幽霊が出てくるには平和過ぎた。
お風呂のほうから物音が聞こえていて、
おばあちゃんがそこにいることもなんとなくわかっていたし。
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