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素敵な笑顔
第21章 音 再会
(この日をどんなに待ちわびたことか)

(私も……)

 なんて慈しみに満ちた眼差しで見つめ合うのだろう。
ふたりとも、なんて愛しそうな目をするのだろう。
直人さんがおばあちゃんの頬に触れ、
その手におばあちゃんの手が重なる。
交じり合うように指が絡まる。
おばあちゃんのもう片方の手が、
直人さんの胸に触れる。
直人さんの手が、その上に重なる。

(先に言っておかないといけないことがあるの)

 ふっと目を伏せ、おばあちゃんが言った。

(私、全部の私がここに着てるわけじゃないの。
私のなかに、やっぱり夫を愛してる部分があって、
あのひとのこと、どうしても放っておけなくて。
だからあのひとを愛してる私は、
あっちに行っちゃった)

(でも、今ぼくの目の前にいる久美子さんは来てくれた)

(うん、全部じゃなくて、ごめんなさい)

(なにを謝ることがあるんですか。
つまり今の久美子さんは、
純度100%でぼくを愛してくれるってことでしょう? 
最高じゃないですか)

 おばあちゃんは涙を浮かべた目で直人さんを見上げ、
小さく、ありがとう、と言った。
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