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素敵な笑顔
第21章 音 再会
「もう、見えなくなりました」
手を振り続けている詩子さんに、わたしは言った。
「うん」
詩子さんは頷き、無言でハンドタオルを渡してくれた。
「ありがとうございます」
お礼を言い、涙を拭う。
柔らかくて詩子さんの匂いがするタオル。
「見えた?」
そっぽを向いたままの詩子さんに聞かれた。
「はい。おばあちゃん、
すごく、すごく幸せそうでした」
「いいな、あたしも見たかったわ」
直人さんの墓を見ながらそれだけ言い、
詩子さんはそのまま歩き始めた。
慌ててあとを追いながら、見れますよ、
と頭のなかだけで思う。
ずっと昔に、おばあちゃんとしたように、
おでことおでこをくっつけたら、
たぶんわたしの記憶を伝えられる。
でもそうすると、詩子さんに対するわたしの気持ちも、
きっと伝わってしまう。
詩子さんの気持ちもわかってしまう。
そういう形で知ってしまうのは嫌。
知られてしまうのも嫌。
ちゃんと言葉で伝えたい。
直人さんとおばあちゃんに勇気も貰った。
迷っていたら、また怖くなる。
手を振り続けている詩子さんに、わたしは言った。
「うん」
詩子さんは頷き、無言でハンドタオルを渡してくれた。
「ありがとうございます」
お礼を言い、涙を拭う。
柔らかくて詩子さんの匂いがするタオル。
「見えた?」
そっぽを向いたままの詩子さんに聞かれた。
「はい。おばあちゃん、
すごく、すごく幸せそうでした」
「いいな、あたしも見たかったわ」
直人さんの墓を見ながらそれだけ言い、
詩子さんはそのまま歩き始めた。
慌ててあとを追いながら、見れますよ、
と頭のなかだけで思う。
ずっと昔に、おばあちゃんとしたように、
おでことおでこをくっつけたら、
たぶんわたしの記憶を伝えられる。
でもそうすると、詩子さんに対するわたしの気持ちも、
きっと伝わってしまう。
詩子さんの気持ちもわかってしまう。
そういう形で知ってしまうのは嫌。
知られてしまうのも嫌。
ちゃんと言葉で伝えたい。
直人さんとおばあちゃんに勇気も貰った。
迷っていたら、また怖くなる。

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