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素敵な笑顔
第4章 詩 記憶:温泉旅行
 虫の音色、お湯の流れる音。
森にいるような、お湯の匂い。
明るい時間に入ったときとはまたぐっと趣が違っていて、
風流をまだ知らなかったあたしでもうっとりした。
幽霊は無理だな、と諦め気分で脱力すると、
お湯の浮力で重力から解放されて、
自然と視線が空に向いた。

 うわぁ……

 感嘆の声がでた。
こんなにたくさんの星、見たことない。

 えー、うそ。えー、うそぉ

 見えるとも思っていなかったので、
意表をつかれた。
声に出すつもりはなかった言葉が
勝手にくちから出ていく。
ずっと見えているわけではなく、
夜風が湯気を動かせたときだけ、
くっきりと見えるのがまた良かった。
なんて幻想的、
なんてロマンチック。
空はどこまでも深く青く、無数の、
ほんとうに無数の光の粒がちりばめられていた。
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