この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ
素敵な笑顔
第4章 詩 記憶:温泉旅行
 湯船の縁に頭をのせて、
お湯のなかで身体をゆらゆらさせながら、
ゆったりと星空を眺めた。
現実感が遠退いて、ときどきふいに、
見上げているのか見下ろしているのか曖昧になる。
この世のなかにあたしひとりになったように静かで、
星の煌めく音が聞こえないのが不思議になるくらい神秘的だった。

 思う存分、ゆっくりと夜空を堪能して、
お風呂からあがった。
調子に乗って長湯し過ぎて、足がふらつく。
浴衣を着て、もうおばあちゃんは寝てるかもと思って、
そっと脱衣場を出て部屋の様子を伺った。

 おばあちゃんは、起きていた。
起きていて、そして泣いていた。
どきっとした。
子どもだったあたしでも、
艶気を感じたおばあちゃん。
姿勢よく正座で座り、
少し上向きに視線を向けた横顔は、
この世ならざるような悲しみと美しさが同居していて、
おばあちゃんは静かに涙を流していた。
おばあちゃんなのに、
知らないひとのようにも見えた。
ぞくぞくするほど現実離れしていた。
その姿はまるで、そう、
あたしがずっと憧れていた幽霊のようだった。
月明かりが似合うような、寂しげに儚くて、
底の見えない深い悲しみに支配されていて、
逃げられる場所なんてどこにもなくて、
だからもうひとでいることが
どうしてもできなくなってしまったというような……
/281ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ