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素敵な笑顔
第22章 詩 不思議な子
「いいな、あたしも見たかったわ」

 もうそれ以上、彩音とやりとりするのが嫌だった。
彩音に背を向けて歩きだす。
思いっきりブレーキを踏んでいるのに、
彩音を思う気持ちが止まってくれない。
もっと早く、
もっともっと早くからブレーキを踏むべきだったのだ。
全身全霊で。
次があるかどうかわからないけど、
次からはそうする。

「詩子さん、待ってください」

 彩音に呼び止められ、振り返る。

「なに?」

 呼び止めたくせに、下を向いてもじもじしている。
まるで好きなひとと相対しているように。
やめて。
もう勘違いさせないで。

「用がないなら呼び止めないで」

 踵を返しかけるとまた――
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