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素敵な笑顔
第25章 音 後日譚 ダイヤモンド
 夜に注文したそれは、翌日の午後に届いた。
嬉々として詩子さんに渡したのだけど、
あからさまに嫌そうな顔をされた。
そういうコスプレみたいなことは嫌なの。
申し訳なさそうに、でもきっぱりと言われては、
無理強いするわけにもいかなかった。
返品手続きがめんどうで、そのまま放置していた。

「サイズぴったりですわ。
彩音はわたくしのことをよくご存知ですわね」

 ちょっと腹が立つしゃべり方も、
それっぽくてすごくいい。
あんなに着るのを嫌がっていたとは思えないくらい。

「すごく…… すごく、なんて言うか――」

 言葉が出てこない。

「エレガント?」

「それです!」

 衣装だけでこんなに変わるか。
美女の上限を軽く越えられた気分。
表情も仕草も、エレガントそのもの。
踊るように流れる動作で、
わたしにブランケットを掛けてくれる。

「ひとりだけ裸だと恥ずかしいでしょう?」

 プリンセスのお気遣いに、
わたしは胸がいっぱいになった。
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