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素敵な笑顔
第25章 音 後日譚 ダイヤモンド
「機嫌直してくれた?」

 詩子さんの胸に抱かれたまま、わたしは頷く。
怒っていたことが恥ずかしくなってしまって、
顔をあげられない。

「よかった」

 詩子さんは言い、それがほんとうに、
わたしにまで安堵が伝わってくるような感情が込められていて、
愛してるって言葉なんかじゃ到底伝えきれないほど、
わたしは詩子さんを愛してるって思った。

 今日も無断外泊だなーって、頭の隅っこで考えている。
終電まではまだまだ時間はある。
詩子さんはきっと、帰りなさいって言うだろう。
でも同時に、
帰したくないって思ってくれていることもわかる言い方で。
だから今日は帰らない。
もうこのあと、たぶんセックスはしない。
でもずっと裸のままで過ごすと思う。
裸のまま、ふたりで簡単な夜ご飯をつくり、
裸のまま食べさせ合う。
食事の合間に何度もキスを交わし、
食べ物と唾液で顔中をべたべたにし、笑い合う。
一緒にシャワーを浴び、そのままベッドに入り、
朝までぴったりとくっついて眠る。
詩子さんのことだから、
そんな想像よりもっと
わたしが嬉しくなってしまうこともしてくれるかもしれない。
いつだって詩子さんはたっぷりの愛情を注いでくれる。
わたしを喜ばせるのが、
とても上手。
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