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素敵な笑顔
第27章 音 後日譚 笑顔の絶えない家庭
「彩音、彩音」

 頬をぺちぺちされる感覚と、
幸せそのもののような、詩子さんの声。
寝起きのように回らない頭で詩子さんを見る。
ぼうっとしているのにはっきりわかる。
このひとについていけば、
わたしは一生幸せでいられる。
もっと年をとって、おばあちゃんになっても、
詩子さんはわたしだけを愛してくれる。

「うたこさん――」

「もう、びっくりさせないでよね。
死んじゃったのかと思った」

 ぎゅうっと抱きしめられる。
いつの間にかわたしは裸で、詩子さんも裸。
完璧に美しい詩子さんが、
わたしにだけ無防備な姿をさらけ出してくれる。
だからわたしも、安心して詩子さんの前で無防備になれる。
心まで裸になれるのは、
詩子さんの前にいるときだけ。

 詩子さんが、わたしを見下ろしている。
慈しむような目で、頭を撫でてくれている。
なぜだろう。どこか懐かしい感覚。
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