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素敵な笑顔
第8章 詩 記憶:修学旅行
 どうすればいいのかわからなかった。
もしも紗絵が、
勇気を出して布団に入ってきてくれたのだとしたら、
次はあたしが勇気を出す番なの? 
でも違ったら? 
逡巡しているうち、たぶん五分もしないうちに、
隣で紗絵は寝息を立てはじめた。

 え、寝ちゃったの、って思った。
普通に寝ちゃった。
寝れるんだ。
あたしは朝まで寝れそうにないってのに。
なんでそんなに呑気に寝ていられるの? 
この状況は紗絵にとっては取るに足らない、
こたつでみかん食べてるのと同じくらい心臓も平穏で、
だから普通に寝られるってこと? 
なんなの? 
あたしひとりだけどきどきしてばかみたい。

 気を付けの姿勢のまま、あたしは動くことができない。
悔しいけど、紗絵と隣り合っているほうの半身に、
どうしても神経が集まってしまう。
ほんの少し腕を動かすだけで、たぶん紗絵に触れられる。
そう意識すればするほど、ますます動けなくなってしまう。

 なんで紗絵の考えてることがわからないんだろう。
わかれば、こんなに苦しまなくて済むのに。
もし紗絵が完全無欠のノーマルなら、
あたし一生紗絵とはただの友だちでいい。
告白して、だめで、終わってしまうくらいなら、
せめて避けられるようにはなりたくない。
でももし、チャンスがあるなら……
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