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素敵な笑顔
第8章 詩 記憶:修学旅行
 今までにないくらいの深いオーガズムに、
あたしは涙を流していた。
紗絵、紗絵、大好き。
ほんとに、どうにかなりそうなくらい好きなの。
こんなに近くで、こんなに切実に想ったら、
テレパシー通じないかな? 
紗絵、あたしの夢見て。
あたしとそういう関係になること、
少しでもいいから意識して。

 汗ばむくらいの熱が引いていき、
ゆっくりと体から快感が抜けていく。
お手洗いに行かなくちゃ、と頭が命令しているのに、
なんだかだるくて起き上がれない。
性欲が解消されると、あとに残るのは罪悪感だけ。
またやってしまった。
紗絵を穢してしまった。
あたしって、なんて淫乱なんだろう。
こんなことしてるなんて紗絵にばれたら、
きっと嫌われる。
友だちをおかずにするなんて、ほんと最低。

 自慰のあとはいつもつらくなる。
頭のなかには正しい判断ができる冷静なあたしがちゃんといて、
このときとばかりに、あたしに正論を投げつけてくる。
ねえ知ってる? 
LGBTのひとの割合って1割未満だって。
レズビアンに限っていうと、1%もいないらしいよ。
好きになったひとがたまたまレズビアンで、
そのひともたまたまあたしのことを好きになってくれてるって可能性、
いったいどれくらいあるだろうね。
計算してみる? 
少しでも頭が働くなら、計算してみるまでもないって、
ちゃんとわかると思うけど?
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