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素敵な笑顔
第10章 詩 記憶:運命の日
 三十分くらいで、おばあちゃんは帰ってきた。
ちょうどしのぶさんも帰ってきたらしく、
玄関の辺りから話し声が聞こえてきた。
しのぶさんっていうのはまあおじさんのお嫁さんで、
まあおじさんっていうのは美香ちゃんの兄、
おばあちゃんの息子だ。

 なんですか、
そんなに甘いものばかりたくさん買ってきて

 私ひとりで食べようってのじゃないのよ。
詩子がきてるの

 詩ちゃんがきてたとしても、
どう多く見積もっても詩ちゃんはひとりでしょう。
詩ちゃんが分裂するなんて聞いたことないです。
ふたりでそれだけ食べるつもりだったんですか。
お医者さんに叱られますよ

 この前の血液検査の数値、悪くなかったわ

 ふたりの話し声がだんだん近づいてくる。

 悪くありませんが、
油断せずに塩分糖分など過度の摂取は控えましょう
って言われてたじゃないですか。
あ、詩ちゃん、いらっしゃい

 しのぶさんが先に、
つづいておばあちゃんもリビングに入ってくる。
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