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素敵な笑顔
第11章 音 静かな慟哭
 夢うつつのなかで、しきりに、
見知らぬ男のひとに、
両手を合わせて拝まれているイメージが浮かんできた。
拝まれているっていうか、そう、
謝られているといったほうがしっくりとくる。
二十代の男のひと。

 居間に布団を敷いてもらって寝てたはずなのに、
目が覚めると和室にいた。
居間は暖色の明かりだったのに、そこは白い明かり。
おばあちゃんの部屋だって、すぐに気がついた。
おばあちゃんの匂い。
百合の花の、甘い香り。

 起きた?

 声のした方を向くと、おばあちゃんが座っていた。

 ごめんね。
なんだかどうしても彩音と一緒に寝たくなっちゃって、
連れてきちゃった

 全然いいよっていうしるしに、
わたしはにっこりと笑ってあげようとした。
でも自分でもわかるくらい、弱々しい笑顔になった。

 お熱、見てみようか

 わたしの前髪を指先で分けながら、おばあちゃんは言った。

 だめ

 わたしは首を振り、拒否の意を示した。
おばあちゃんの熱の計りかたは、
おでことおでこをくっつけるってやり方だったから。
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