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素敵な笑顔
第11章 音 静かな慟哭
 でもそんな幸せは長く続かなかった。
奇跡の日々は、なんの前触れもなく消え去り、
一生手の届かないところに消えてしまった。
幸福はひったくられるように奪い取られる。
無情に、あっさりと、あっけなく。
線路が途中から欠落していたように、
おばあちゃんの人生はいきなり進む道を失ってしまった。
洞窟のなかで突然電球が破裂したように、
暗闇に閉ざされてしまった。
苦しい。とても苦しい。
おばあちゃんが秘めている慟哭は、
まるで体を内側から切り刻まれているような、
そんな激しい痛みを伴っていた。
無理だ。わたしでは1分、
いや30秒だって耐えられない。

 堪らなくなって目を開けると、
大きく目を開いたおばあちゃんに見下ろされていた。

 なに、今の

 え?

 なにを聞かれたのかわからなくて、
わたしは聞き返した。

 見えてる、の?

 え?

 もう一度聞き返したけど、
おばあちゃんはそれには答えてくれなかった。
それどころじゃないって顔をしていた。
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