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素敵な笑顔
第13章 音 たくさんの花
わたしは、個人経営の町医者とかクリニックは平気だけど、
大きな総合病院や大学医院は苦手だ。
ひとには見えないひとがたくさんいるから。
外でさえたくさんいる。
壁や屋上、入り口にも植え込みにも芝生広場にも。
恨みがあって出ているのではない。
そういう波動は感じない。
ただ、自分が死んだことに気づいていなくて、
もしくは信じたくなくて、
どこに行けばいいのか、なにをすればいいのか、
わからないひとたち。
わたしに見えているので、
向こうにもわたしが見えていることに
気づかれてしまいそうな気がして怖い。
なにもしてあげられません、と心で強く思う。
時間がきて、
わたしたちはおばあちゃんの病室に向かった。
まあおじさんもしのぶちゃんも、
わたしのことを知ってくれているので、
両側でぴったりとくっついて、
わたしを守ってくれる。
病院内には外とは比べ物にならないくらい、たくさんいる。
エレベーターを降りたところで、
年配の看護師さんが慌てた様子で話しかけてきた。
「牧原さん、ちょうど電話しようとしてたんです。
おばあちゃんの容態が。
今、先生が診てくれています」
走り出したい衝動を抑え、
それでも早足で向かった。
病室のドアは開いていて、
室内が見えていて――
大きな総合病院や大学医院は苦手だ。
ひとには見えないひとがたくさんいるから。
外でさえたくさんいる。
壁や屋上、入り口にも植え込みにも芝生広場にも。
恨みがあって出ているのではない。
そういう波動は感じない。
ただ、自分が死んだことに気づいていなくて、
もしくは信じたくなくて、
どこに行けばいいのか、なにをすればいいのか、
わからないひとたち。
わたしに見えているので、
向こうにもわたしが見えていることに
気づかれてしまいそうな気がして怖い。
なにもしてあげられません、と心で強く思う。
時間がきて、
わたしたちはおばあちゃんの病室に向かった。
まあおじさんもしのぶちゃんも、
わたしのことを知ってくれているので、
両側でぴったりとくっついて、
わたしを守ってくれる。
病院内には外とは比べ物にならないくらい、たくさんいる。
エレベーターを降りたところで、
年配の看護師さんが慌てた様子で話しかけてきた。
「牧原さん、ちょうど電話しようとしてたんです。
おばあちゃんの容態が。
今、先生が診てくれています」
走り出したい衝動を抑え、
それでも早足で向かった。
病室のドアは開いていて、
室内が見えていて――

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