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素敵な笑顔
第14章 詩 そのとき
 「詩子か。まあおじさんから電話があった。
おばあちゃんが――」

「わかった。すぐ行く」

 美香ちゃんよりは幾分冷静なお父さんに、
返事をすると同時に電話を切った。
急がなくてはならないのに、
なにをしたらいいのかわからない。
とりあえず出しっぱなしのお肉を冷蔵庫に戻し、
刻みかけのたまねぎをフライパンに移して蓋をした。
着ていく服を悩んでいる途中で、
夜ご飯食べるタイミングがないかもしれないって思いついて、
冷凍してあった肉まんをチンして食べた。
激熱だったけど普通においしかった。
それから、物足りなかったので
4個入りの薄皮あんパンを1個食べた。

 電車でおばあちゃんがいる病院の最寄り駅に着いて、
とりあえずホームのベンチに腰かけた。
目の前をたくさんの足が通り過ぎていく。
早く行かなきゃって気持ちと
行きたくない気持ちがごちゃまぜになっている。
おばあちゃんの死をこの目で確認することが怖かった。
嫌だった。
はいっと目を開ければそこはいつものベッドで、
なぁんだ夢か、とほっと胸を撫で下ろしたい。
でも何度目をぱちぱちさせても、
自分の部屋に戻れることはなかった。
当たり前だけど……
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