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素敵な笑顔
第14章 詩 そのとき
 お父さんとまあおじさんとしのぶさんが、
葬儀屋のひとと打ち合わせをしている。
美香ちゃんは一応お父さんの横に座っているけど、
役に立ちそうもない。
あたしはやっと、
静かにおばあちゃんと対面することができた。
臨終に間に合わなくてごめんね、と合掌してから、
おばあちゃんの顔に掛けられている白い布をそっと取る。

 ぴんとこなかった。
おばあちゃんはおばあちゃんなんだけど、
全然違う知らないひとのように見えた。
どこがどう違うのかと聞かれると答えられないんだけど、
なにかが決定的に抜け落ちてしまっているような、
変な感じ。
そっと頬に触れてみても、
当たり前だけど生気がなく、
ぞっとするほどひんやりとしていて、
おばあちゃんに似せて造られた人形のように見えた。
でもやっぱり目の前に寝ているのは本物のおばあちゃんで、
それはもう絶対的に間違いなくて、
あたしは悲しくなってしまって、白い布を元に戻した。
きっとおばあちゃんも、
今の顔を見られたくないって思ってる。

「詩ちゃん、
まあおじさんが夜ご飯の買い出しに行ってくれるんだけど、
なに食べる?」

 しのぶさんに聞かれた。
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