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素敵な笑顔
第14章 詩 そのとき
「あたしいらない」

 家を出る前に食べた肉まんとあんぱんが
結構効いていたのでそう言った。

「気持ちはわかるけどだめよ、なんか食べなきゃ」

 勘違いされている。
でも家を出る前に食べてきた
っていうのが薄情だって自覚はあるので、
あたしは困ってしまった。

「まあさん、俺も行くよ」

「いや、銀ちゃんは美香のそばにいてやってくれ。
ひとりで大丈夫だよ」

 お父さんとまあおじさんのやりとり。
まあおじさんが椅子に掛けてあったハーフコートに袖を通し、
車の鍵と財布をポケットに突っ込む。

「じゃあ、おにぎりかサンドイッチか、
適当に摘まめるもの」

 おばあちゃんの白い布を見ながらあたしは答えた。
しのぶさんは、わかった、と言い、
あたしの肩をぽんぽんと二回叩いた。
あたしなんかより、おばあちゃんとずっと一緒に、
長く暮らしてきたしのぶさん。
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