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素敵な笑顔
第14章 詩 そのとき
 みんな無口だった。
ずっと泣いている美香ちゃんはお父さんにもたれ掛かり、
お父さんは美香ちゃんを抱き寄せて
背中を優しく叩いてあげている。
小さな子をあやすように。
まあおじさんはさっきまで、
買ってきたおにぎりとサンドイッチの数が少ないって、
しのぶさんに叱られていた。
こういうときは半分以上残ってもいいから
たくさん買ってくるべきだ、
というのがしのぶさんの考えらしい。
結局今のところまだ誰も手をつけていないのだけど。
雰囲気が重過ぎるなって思っているときに
まあおじさんがテレビをつけてくれて、
なにを言っているのか聞き取れないほど音量は絞られているけど、
少しは空気がほどけた。

 まあおじさんがビールを二缶持ってお父さんの隣に座った。
美香ちゃんにしがみつかれていて、
片手しか使えないお父さんの代わりに
まあおじさんがプルタブを開け、
ふたりでしんみりと飲み始めた。
美香ちゃんのすすり泣く声が聞こえなくなったので、
泣き疲れて眠ってしまったのかもしれない。

「はいはい、ごめんね」

 しのぶさんがあたしの横にきて座り、
あたしににっと笑いかける。
そしておばあちゃんの枕元にそっと湯呑みを置いた。
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