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第6章 <曖昧な態度>

今まで私の言葉に聞き耳を持たず、一方的だったかずきの動きが止まった。

『なんで…？
……どうして…？』

私の上に覆い被さりながら、かずきは大粒の涙を流していた。

「あたしね…前から冷めてたんだ。
付き合い始めた時、二股だったのも知ってた。
それでも良いって思って付き合ってきたけど…
いつの間にかあたしの中で、かずきは彼氏って存在じゃなくなってたのかもしれない。」

『しってたんだ…。
でも、今は…美冬だけなんだ。
俺初めてこんなに本気で好きになったんだ…。』

「ごめんね。
かずきはよく嘘をつくから…あたしもう…かずきの言葉は信じられなくなっちゃった。」

『そんなっ……。
もしかして、さっきの上司と…！』

「違うよ。
就職する前から冷めてたの。
なかなか踏ん切りがつかなくて…ダラダラ付き合い続けてた。
でも、今のかずきを見て分かったの。
このままじゃ、かずきを傷つけるだけだって。
あたしの気持ち…ちゃんと伝えなきゃって…。」