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おじさんとお子ちゃま
第9章 <板挟み>
まさか、退職するにあたって研修等の費用を請求されるなんて思ってもいなかった。
どこの会社でも請求されるものなのか分からない私は、素直に全額返金するしかなかった。

(ってゆうことは…今月分の給料は0円ってことかぁ。
タダ働きとかやる気なくなる…。)

いっそうのこと、仕事の引き継ぎをしないで今まで集めた資料とか全部捨ててしまおうか?
なんて衝動にもかられたが、会社に残る恭平さんの立場も考えて…タダ働きでもいつも通りに真面目に働いた。

私の仕事を引き継ぐ新人さんも入社し、私が今までしてた仕事を一から丁寧に教えた。

働いてると1ヶ月が経つのはあっという間で、とうとう退職する日になった。

最初は朝礼の時に挨拶するつもりだったけど、社長から退職理由が望ましくないものだから挨拶しなくていいと言われてしまい…
帰るときに荷物を全部持ち事務所の社員の人達だけに別れの挨拶を個別にして回った。


私の太陽自動車で過ごした一年は、なんだか物凄く呆気なく終わった。
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