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第10章 <悪夢>

「秘密…ですか？」

『そうそう。前の奥さんとの秘密。聞きたい？』

「…聞きたいです。」

『どーしよっかなー。』

「えっ？それを話すために電話したんじゃないんですか？」

『そうだけどさー。電話代かかるじゃん？
野原、田所の秘密本当に聞きたいの？』

「聞きたいですよ。気になります…。」

『じゃあさ！今から会える？』

「えっ？いや、電話でいいですよ。」

『長い話になるし電話代かかるから、会って話すよ。』

「それはちょっと…。」

恭平さんの秘密…凄く気になる。
でも恭平さんと付き合ってるのに、隠れて他の男性に会うなんて浮気同然だと私は思っていた。
かといって、中野さんは家庭があるからあまり電話代をかけさせるのは悪い。

「じゃぁ、今かけてくれてる電話の番号にあたしからかけ直します！」

『それはダメ。』

「え…何でですか？」

『ダメだからダメって言ってんの。着歴残るじゃん。』

「あ…すいません…。」