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秘密の回転寿司
第8章 初セリ
その後、あたしは数日悩み続けた。

あのDVDを見て正直興味を惹かれた。
大きな仮面で顔を覆うから素顔はわからないし、されたくないことは最初から断ることができる。もし相手がルールを破れば店のスタッフが止めてくれる。

そして、何よりあのDVDで見た女の子たちの気持ちよさそうなこと…
優子のようにみんなバイトだから、演技をしているということはない。つまり、あのよがり様は本気だということ。

あんなに声を上げて気持ちよさそうにして…あたしもあんなふうにしてもらえるんだろうか…

そう考えると、体の奥がきゅんと痺れた。



1回だけなら……



そんな思いが頭をもたげてくる。
だけど、どうやって優子に伝えよう?自分から「やってみたい」なんて言うのは何だか自分がいやらしい人間だと言っているようで恥ずかしい。

悶々と悩む日が続くほどに、あたしの中の興味と期待は膨らむ。

そんなある日、優子から電話がかかってきた。

「もしもし?」

「みのり、久しぶり〜」

「うん、久しぶり」

すぐにでも例の件を切り出したかったけれど、そんなにがっついてると思われたくなくて、いつも通りを装う。

「ねえ、例の件だけど、考えてくれた?」

「あ、ああ…うん…」

「ホント?それで、やってみない?」

優子の声はウキウキと明るい。
あたしは、できるだけ、心の中のワクワクを悟られないように声のトーンを落として言った。

「うん…1回だけ…やってみようかな、って」

あたしは、淫靡な世界にゆっくりと一歩踏み込んだのだった…
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