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「私が欲しいですか?お嬢様」
第10章 執事〜保護欲〜
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桜凛学園の談話室。
テーブルに伏せて項垂れる
颯太の姿。
そんな颯太を見て、大和は声をかけた。
「お前…なんかキャラ変わってない?」
詩織と離れていても
何ともなさそうな大和を
横目で見る。
「何がですか…どう変わっているのですか?」
おいおい、自覚がないのか…
「いつも冷静で余裕な感じな
お前がたった1日離れるだけでそんなに
なるなんて知らなかったぞ」
「別に…隠していたつもりも
ないですし、これが私です」
そう。
颯太は元々がこう。
彩芽の幼少期の頃の写真を
毎日胸ポケットに入れて
持ち歩くほど。
執事についている間は
できるだけ片時も離れたくない
それが本音だ。
「お前、ほんと
好きなんだな、彩芽様が」
「何か、問題でもありますか…」
「いや、問題はないが…ただ」
「ただ…?」
「落ち込み過ぎだ!気持ち悪い!」
落ち込んでずっと伏せている
颯太に喝を入れる。
ガタッー!
「……無理だ」
突然立ち上がった颯太を
びっくりして見る。
颯太は何も言わずに談話室を出ようと
ドアに向かった。
「どうした?どこ行く?」
「やはり心配です。私がそばに
いてさしあげなくては…」
「待て待て待て!!」
そんな颯太を大和は慌てて止めた。
「落ち着け。彩芽様のそばには
詩織様もいるから」
それに今日は放課後まで
執事との接触は禁止だー。
その一言で、颯太は大人しく
イスに戻った。