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「私が欲しいですか?お嬢様」
第10章 執事〜保護欲〜
「尚弥さんとはまた別のタイプって
感じかな…」
あたしは少し考えながら話した。
「それはわかるよ!尚弥さんの場合は
独占欲!でも颯太さんの場合は
過保護だね、絶対」
「颯太さん、何から何まで
やってくれようとするから
たまに戸惑うんだよね…」
あたしは確かに戸惑っていた。
尚弥さんは独占欲でただひたすら
そばにいたい感じだったけど
颯太さんの場合は違う。
なんか、颯太さん無しでは
いられないようにされてるというか。
ーごほっ!?
「詩織!?大丈夫!?」
いきなりむせた詩織に
お水を渡す。
「ごめんっごめんっ大丈夫!」
「慌てて食べるからだよ〜!」
まだゴホゴホ言いながら
詩織が話をする。
「だって!見てほら!」
詩織が指したのは
あたしの後ろにある窓。
あたしは指さされた後ろの窓を見た。
そこには項垂れた颯太さんと
それを励ます様に歩く大和さん。
「え?颯太さん?」
「すごーい項垂れてるねークスクス」
その様子を見て、詩織は笑う。
「愛されてるね?彩芽」
そんなわけない。
あたしはその姿を見ながら
心の中で思っていた。
愛されてる?
そんなはずない。
あたしと颯太さんは会ったばかりだし。
それに…
ー私に恋愛感情を抱いてはなりませんー
そう言ってきたのは颯太さんだ。
「…そんなこと…ないよ」
あたしは小さく返事をして
お昼を食べた。