この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「私が欲しいですか?お嬢様」
第11章 執事〜決断〜
「やっとお会いできました…」
放課後。
執事なしで1日を終え
紅女学園のお嬢様達を
それぞれの執事をお迎えにくる。
ーお迎えにあがりました。
ーあーやっと終わった〜
待ってたよ〜
ーお嬢様!
ーやっときた!遅い!
あちこちで
執事がお迎えきて声をかける。
そんな中、颯太さんも
すぐに教室へ来た。
「やっとって…ほんの
少し離れてただけですよ?」
あたしは何だか颯太さんが
かわいく見えて笑った。
「詩織様、いい子にしておりましたか?」
「大和!私はいつもいい子です!」
そんなやりとりをしてる詩織達。
ほんと仲がいいなぁと思う。
「お嬢様、車を待たせています。
行きましょう」
「はい。
じゃあ、詩織。また明日ね」
「ばいばーい!彩芽!」
手を振る詩織にそう告げて
一足先に教室を出た。
会話のない廊下。
お昼に見た姿が目に焼き付いてる。
颯太さんはさみしかったのだろうか。
「…さみしかったですか?」
考えるより先に言葉に出ていた。
少し後ろを歩いていた颯太さんの
歩みが止まる。
あたしはどうしたのだろうと
後ろを振り向いた。
「………です」
小さな声だった。
けれど、口元を見ていれば
何と言ったかなんてすぐにわかった。
ーさみしかったですー
あたしは微笑んで提案した。
「家に帰って、一緒に庭で
本を読みましょう。
夜は一緒に食事をして
寝る直前までお話しましょうね」
ー私に恋愛感情を抱いてはなりませんー
わかってる。
でもただ今は
ーさみしかったですー
その一言で嬉しかった。
「はい、お嬢様」