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「私が欲しいですか?お嬢様」
第11章 執事〜決断〜
「名雲さん、ちょっといいかしら?」
休み時間中、声をかけてきたのは
音楽の教師、田島先生。
「はい、すぐ行きます」
席を立ち、先生の元へ向かおうと
すると颯太さんもついてきた。
それを田島先生は止める。
「片岡くんはここで待っていて?」
その言葉に少し颯太さんは
躊躇した。
「しかし…」
あたしはそんな颯太さんに
大丈夫ですよと言い
先生の後についていった。
黙ってついていくと
音楽室の奥の部屋にたどり着いた。
「ごめんなさいね、どうぞ座って」
呼び出された理由もわからず
先生に言われた通りソファに
座った。
「あの、あたし何かしましたか…?」
先生は紅茶を入れたカップを
テーブルに置き、どうぞと差し出した。
先生も座り、紅茶を一口飲むと
話し始めた。
「専属…」
「え…?」
予想もしない言葉に驚いた。
「片岡くんに決めたの?」
先生の目が何となく鋭くなって
あたしを見据える。
その目がちょっと恐くなり
たじろぐ。
「あっ…いやまだ…悩んでいて…」
「そうなの…」
まだ悩んでいる…その言葉に
先生は少し安堵した表情を見せた。
「小萩くんなんかいいんじゃないかしら?」
先生は突然、結斗さんを
勧めてきた。
「あ……」
まだ迷っているのに
曖昧に返事はできなくて
あたしは何も言えなかった。
けれど、迷い俯くあたしに
先生はとんでもないことを言い出した。
「あたしはここで
片岡くんに抱かれたのよ」