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「私が欲しいですか?お嬢様」
第12章 颯太side
田島先生はいつも音楽室の
奥の部屋にいる。
たどり着くとドアの向こうから
話し声が聞こえた。
ーそれで?あなたは
何の為に彩芽様にその様な事を
言ったのですか?
ー関係のないことでしょう?
そっとドアを開けても
棚があるせいで気づかない。
ーいえ。詩織様のご友人が
傷つく事は詩織様自身も傷つく事です。
申し訳ありませんが黙っておくことは
できません。
ーだったら?
あたしは真実を伝えたまでよ。
ーだから、ここで颯太と
セックスをしたと…伝えたわけですか?
コツー。
「やはり、その事を伝えたのですね」
「颯太…」
「颯太くん…」
予想は的中してしまった。
彩芽はこの事を知ってしまった。
「颯太くんとセックスしたのは
事実じゃない!それを伝えて何が悪いの?」
悪い?
いや、悪くはないさ。
悪いのは私だ。
この人に不誠実な対応を
してきた自分。
「悪くはありませんよ。
ただ、先生それを伝えたあと
彩芽様に何を伝えたのですか?」
「あなたを専属にするのは
辞めてと話したわ。
専属にしたら容赦しないって」
その言葉に大和も颯太も驚く。
名雲の家を敵にして
容赦しないと…?
いったいこの人に何ができると言うのか。