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「私が欲しいですか?お嬢様」
第12章 颯太side
「ちょっと1人で待ってて。
俺すぐ戻るから」
不安そうな彩芽にそう声をかけて
マスターも個室から出た。
ーーーーーーーーーー
「ったく。颯太、
あんなやり方したら誰でも嫌がるだろ」
颯太もよくわかっていた。
だが、抑えることができなかったのだ。
そして訳もわからず
当たられた結斗は頭をかきながら
言った。
「何があったか知らないけど
僕に八つ当たりはやめてよ」
「なんで彩芽様といたんだ…」
「なんでって。たまたま温室で
会って、様子がおかしかったから
ここに連れてきただけだよ」
たまたま…。
小萩がよくこのカフェに
来てるのは知ってる。
なら彩芽と会ったのは
本当に偶然か…
考え込む颯太に結斗は言葉を続けた。
「とにかく、今は彩芽様を
そっとしといてやってよ」
「俺もそう思うよ、颯太。
せめて放課後まではな」
2人に言われ、颯太は渋々
頷いた。
その後、マスターに彩芽を
お願いし結斗と颯太はカフェを
後にした。
マスターは2人の背中が
見えなくなるまで見送ると
カフェの中に戻り、
温室からカフェへ繋がる扉の鍵を閉めた。
カチャンー。