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「私が欲しいですか?お嬢様」
第13章 マスター〜純也〜


「颯太さんにも過去はあるし…
グズッー。でもなんかすごくショックで」


あたしは思うことを
ひたすら吐き続けた。

「相手は先生だし…ひっく…
専属にするなら颯太さんって
せっかく…決めてたのに…うぅ。

執事だから、恋人にはなれなくても
せめて、初めてくらいは…
好きな人がいいって…うぅぇ…」


酷い泣き方だと思う。
可愛いなんて欠片もない。

涙で顔はグチャグチャだし
言葉はまとまらなかった。

それでもマスターはずっと
頭をポンポンしながら
うんうんと話を聞いてくれた。


たくさん泣いて
たくさん話して
たぶん1時間はその状態だった。




ぽんぽんー。



「たくさん泣いて
お腹空いたでしょ?なんか作るよ」

そう言ってマスターは
個室から出てキッチンに向かった。


あたしは思ってることを
話し切ってスッキリしていた。

結局答えは見つかってないけど
このモヤモヤしてたものは
少しだけスッキリした。


あたしは立ち上がり
マスターのいるキッチンを
覗きに行った。




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