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「私が欲しいですか?お嬢様」
第15章 専属〜真夜中の誓い〜
けど、あたしの足は
考えるより先に颯太さんの
部屋に向かっていた。
部屋に行って何を話すの…?
なぜこんな夜中になんて言われて
会いたくてなんて言えないし…
なんて色々考えてるうちに
颯太さんの部屋の扉は目の前。
「…もし寝てたら…起こしちゃうよね」
「でも明かりついてるし…」
ブツブツと独り言を言っていたら
いきなり扉が開いた。
ガチャー。
「彩芽様!?」
「あ、あの、ごめんなさい、
部屋の明かりが…ついてたから!
その…」
あたしは慌てて言い訳を考えたけど
思い浮かぶはずなかった。
なんて言っていいかわからずに
言うのを途中でやめて俯いた。
そんな様子のあたしを見て
颯太さんは困った様に微笑む。
「…こんな夜中に…
どうぞ、中へお入りください」
そう言って
颯太さんの手があたしの腰に触れた。
ドキン…
あたしの心臓は大きく音を鳴らした。
言われるがまま部屋に入る。
颯太さんの部屋は綺麗だった。
ベッドと机と椅子とテレビ
本棚にはびっしりと本が並べてあった。
きちんと整理整頓されてる…
「彩芽様のお部屋より狭い所ですが
どうぞ、お座りください」
そう言われてあたしはベッドへ
ちょこんと座った。
勢いで来ちゃって
入っちゃったけど…大丈夫かな。
机には読みかけの本。
まだ湯気がたってる紅茶が置いてある。
本を読んでたんだ…
キョロキョロと辺りを見ていると
颯太さんが紅茶を出してくれた。
「どうぞ…」
ふわっと香るラベンダーの匂い。
「寝付けなかったのですか?」
そう言ってあたしに膝をつく。
その顔はとても心配そうな顔。
「ううん、ちょっと夢にうなされて…」
あたし何言ってるの!!!???
まるで会いにきたみたいになってる…