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「私が欲しいですか?お嬢様」
第15章 専属〜真夜中の誓い〜
出された紅茶を一口飲む。
なんだか安心した。
自然とこぼれた溜め息。
「ふぅ…」
颯太さんは優しく微笑んだ。
「大丈夫ですか?
ラベンダーには鎮静効果がありますので
少し落ち着くかと…」
だからか…
どこまでも優しい。
「しかし、いくら庭先とはいえ
こんな夜中にお部屋を出るとは…
携帯を鳴らして頂ければ
私がそちらへ伺いましたのに…」
携帯をチラ見した。
でもよく見ると颯太さんは
私服だった。
とてもラフな格好。
ベージュのパンツに
白のVネックのカットソー。
見える鎖骨が色っぽい。
「ごめんなさい、寝てるのなら
電気を消そうと思って…」
「それで私のお部屋に?」
頷くあたし。
電気を消そうと思っていたのは
事実だった。
起きてたらどうしようなんて事は
考えてなかったけど…
「これを飲んだらお部屋へ
戻りましょう」
そう言って立ち上がり
机に広げていた読みかけの本に
しおりを挟み片付けた。
あたしはチラっと見たけど
なんだか難しそうな本。
あたしには到底理解できそうにないので
突っ込むのもやめた。
「物が少ないんですね…」
棚に本を戻し颯太さんが振り向く。
「多いのは本だけです」
そう言って笑う。