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「私が欲しいですか?お嬢様」
第20章 純也〜マスターの恋〜
9時45分。
開店よりも少し早い時間に
颯太から連絡が入った。
「これから行きますって…
まだ開店前だっつーのに」
この前は放課後に行くとか
連絡きていたのに
突然来なくなって
かと思いきや今度は開店前に来るって
なんてワガママな奴だ。
まぁ幸いにも
開店準備は終わっているし…と
ひと息ついて煙草に火をつけた。
ふぅー
颯太が来るってことは
あの子も一緒かな。
彩芽ちゃん。
「沙月と雪弥の子か…
あんなに大きくなったんだなぁ…」
チクッ…
情けない。
もう何十年とたつのに
この気持ちはまだ色褪せない。
沙月に似てる…
いや雪弥にか…?
どちらに似ていても当たり前だな。
が…あの子が
この学園に通ってるということは…
雪弥は死んだのか。
「大事な2人残して何してんだよ…
雪弥…馬鹿野郎が」