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「私が欲しいですか?お嬢様」
第20章 純也〜マスターの恋〜
それを痛いほど感じていたが
俺は自分の気持ちを
抑える事もできなかった。
泣くだけ泣いて
沙月は少し落ち着いた。
俺は座らせて紅茶を出した。
「…落ち着いた?」
「うん…ごめんなさい」
「いや、いいんだよ。
俺で良ければいつでも貸しますよー
こんな胸っ!」
俺はカウンターにいながら
右手でパンパンと胸を叩く。
「ふふ、ありがとう。
純也さん、今日優しい!」
よかった。
笑顔になって。
「俺はいつも優しいだろっ」
「ふふ!そう?」
「お前なぁー!」
こうやって2人で
じゃれ合う時間は好きだった。
こんな2人が惹かれ合うのに
そんなに時間はかからなかった。
沙月は次第にカフェに
居る時間が長くなり
授業もサボりがちになっていた。
それが良くない事だと
俺にもわかっていた。