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「私が欲しいですか?お嬢様」
第20章 純也〜マスターの恋〜
チュ…
柔らかな唇
ねっとりと絡む舌。
チュッ…
「んっ…」
唇を離す…
おでこをくっつけて呼吸をする。
「今日もキス…だけ?」
顔を赤くして聞いてくる。
「…当たり前だろ。お前はまだ高校生」
俺は沙月の頭を撫でながら
答えた。
沙月がキス以上の事を
望んでいるのはわかっていた。
が、俺はそれ以上はできない。
身体が反応してないわけじゃない。
むしろ反応している。
けど、俺と彼女は10個も離れていて
俺はこんな小さなカフェを開いて
生活をしていて
彼女は名家の名雲家のお嬢様。
それに…彼女は
俺を好きなんじゃない。
恋に恋してるんだ。
いかにも高校生な恋愛だな。
「純也さんだったら
私…いいのに」
いじけた顔で言う
彼女に俺は頭をポンポンとして
「バカ言うな。まったく」
そう言って彼女から離れ
カフェを開ける準備に入る。
ちぇっと小声で言いながら
彼女は鞄を持った。
「ちゃんと授業受けてこいよ」
「はーい」
去って行く背中を
見送って俺は準備に取り掛かった。