この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「私が欲しいですか?お嬢様」
第21章 ドキドキ社交ダンスコンテスト。
ガサガサ…
「確かここに…」
見つかる1枚の写真
そこに写るは幼い2人
「やっぱり…どこかで
見たことあるって思ったのよ…」
そう…大きくなったのね
この子も…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
コンコン
「ん…今、何時…」
目覚まし時計を確認すると
7時を過ぎていた。
といっても今日は土曜日…
学園は休み。
ー彩芽様!彩芽様!
外から颯太さんの呼ぶ声。
「ん…もう…ちょっ…と」
ー彩芽様!起きてください!
開けますよ!
ガチャ
合鍵で開けて入る颯太さん。
あたしのベッドに来るなり
声を張った。
「彩芽様っ!起きてください!
今日は学園ですよ!」
「何言って…今日は休み…」
だからもう少し寝かせてよぉ。
はぁ…
颯太さんの溜め息が聞こえた。
そっとあたしの頭に手をのせて
耳に口を近づける。
「彩芽様、今日は社交ダンスの
コンテストですよ…」
ー社交ダンスのコンテストですよ
颯太さんの言った言葉が
こだまする。
あたしは思わず布団から顔を出して
颯太さんの顔を見る。
ニッコリ。
「あは…ウソでしょ?」
満面の笑みの颯太さん。
「本当でございますよ?」
「え…ええええええ!!!!!」
聞いてない!聞いてない!
慌てるあたしのおでこに
キスを落とす颯太さん。
チュッ
「頑張りましょうね」
すっかり忘れていたコンテスト。
あたしは今までにないくらい
学園に行きたくないと思った。