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「私が欲しいですか?お嬢様」
第23章 彩芽〜繋がる過去〜
ーねぇ約束だよ?
ーやくそく?
ーそう!僕が大きくなったら
結婚するって!
ーうん!けっこんしゅる!
ーゆーびきりげーんまん♬
また…この夢…
あなたは誰なの?
顔が…見えない。
もう何度も見てる夢
その相手が誰か知りたくて
白く靄がかかるそこを
見つめ続ける。
ゆっくり…ゆっくり靄が
消えていく。
目を擦り、ゆっくり目を開けると
そこにいるのは小さな男の子。
見覚えのある瞳
見覚えのある髪の色
「颯太…さん…?」
寝ているはずの彩芽が
いきなり自分の名前を呼び
驚いて振り返る。
電気を消しにきて
寝顔の頬を撫で戻ろうとした時だった。
起きているのか…?
もう一度、ベッドまで歩み寄り
そっと顔を覗く。
そこにはむにゃむにゃと
気持ち良さそうに眠る顔。
寝言か…
そっと頬を撫でる。
するとそれに反応するかの様に
頬を摺り寄せてくる。
「…っ!」
その仕草に胸が苦しく反応する。