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「私が欲しいですか?お嬢様」
第23章 彩芽〜繋がる過去〜
幼くてもわかる。
面影が残ってる…
靄が晴れ、はっきりと見える
目の前の男の子は
笑っていたはずなのに
なぜか少し寂しそうしている。
ーどうしたの?
ー僕を忘れないで…
忘れないで…?
あたしは忘れてたの…?
ー僕は大人になった君のそばにいる
ーえ?
その姿は少しずつ遠ざかる。
ー待って!
ー忘れないで…思い出して…僕を
手を伸ばして追いかけようにも
足が前に進まない。
ー待って!ねぇ!
お願い待って…
そんな願いも叶わずに
遠ざかるその姿はまた靄の中へと
消えていった。
「待って!!行かないで!颯太さんっ」
パチ…
夢から目が覚める。
はぁはぁ…
「どうしましたか…彩芽様
私はここにおりますよ…」
目を開けたそこには
颯太さんが優しい顔をして
あたしを見ていた。