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「私が欲しいですか?お嬢様」
第24章 彩芽〜蘇る記憶〜
ママの後ろをついて行くと
着いたのはパパの部屋。
「ここ…パパの…?」
ママは振り向いて笑う。
「そうよ」
ガチャー
パパの部屋は颯太さんと
変わらないくらいの大きさ。
綺麗に片付けられていて
まるで昨日までパパがそこに
いたような感じ。
ママはパパの使っていた
机の引き出しを開けた。
取り出す一枚の写真。
「これ…」
差し出された写真を受け取り
見ると、あたし目を見開いた。
そこに映るのは
病院の前で笑って並ぶ幼いふたり。
夢で見た男の子。
夢ではハッキリわからなかった。
けれど…写真ならわかる。
間違いなく…
「颯太さん…」
でもどうして?
この写真…
あたしは私服だけど、颯太さんは
パジャマのまま。
しかも病院の前…
あたし花束持ってるし…
「ママ…これ…」
「少し…話そうか?ね?」
あたしは頷いて
そのままソファに腰掛けた。