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「私が欲しいですか?お嬢様」
第24章 彩芽〜蘇る記憶〜
ソファに座ると同時に
部屋の扉がノックされた。
ー彩芽様、いらっしゃいますか?
颯太さん!?
「どうぞ、入って」
あたしの代わりにママが
返事をする。
ガチャ
「失礼いたします…
ああ。やはりこちらにいましたか」
少し焦った顔をしている。
探したのかな…
「ごめんなさいね、颯太くん」
颯太さんは軽く会釈をすると
あたしの手にある写真を見た。
「その写真…」
颯太さんは胸ポケットに
手を入れ、写真を取り出す。
あたしは立ち上がって
颯太さんのそばまで行き
写真を覗く。
「…同じ写真…」
あたしは自分の手にある写真と
颯太さんの手にある写真を
何度も見比べた。
同じだ…まったく。
やっぱり颯太さんだ。
「どうして…あの夢に出てくる
男の子は颯太さんなの?」
あたしが颯太さんを見上げると
颯太さんは切なそうな顔で
あたしを見つめてきた。
「やはり…記憶がないというのは
本当なのですね…」
2つの同じ写真。
ふたりとも笑ってる。
「とりあえず座りましょう。
颯太くんも一緒に…ね?」
「はい」
あたしは写真を見ながら
ソファに座った。