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「私が欲しいですか?お嬢様」
第24章 彩芽〜蘇る記憶〜

「一般病棟とはいえ、その部屋は
ベッドは全部埋まってなくてね。
ご飯はいつも2人だったの」



ママが話すと、まるで続きを
颯太さんが話すような形。


「ですが、私は時折
症状が重く、部屋にいられず
集中治療室にいることもありました。
そういう時ばかりは、食事を
一緒にできません。

彩芽様は、私が部屋に戻ってくると
必ず今日は一緒にご飯を食べられるのか
訪ねてきました」




だから…あの夢…


あたしはぼんやりと
話を聞きながら変な感覚に
襲われていた。


ぐにゃっと視界が歪む。


頭が痛い…



「退院するのも、彩芽様が先でした。
ですが、私達は家が近いこともあり
またすぐに会えると思っていたのです」



言葉はちゃんと聞こえてるのに
頭痛で返事ができない。


「けれど、その会う約束を
果たす前にあなたは事故に合ったのよ」



事故…


信号無視をした乗用車が
横断歩道に進入してきた。


あたしは頭を強く打って
入院していた病院とは別の病院に
搬送された。




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