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「私が欲しいですか?お嬢様」
第26章 マスターの恋模様
今日は久しぶりに
マスターの所に行こうと
颯太さんと2人できたのに…
「閉まってる…」
「その様ですね…
どうしたのでしょうか…」
彩芽はガックリと肩を
落としていた。
あーぁ…
マスターの作ったお菓子が
食べたかったのに。
そんな彩芽を見て
颯太は携帯を取り出して
電話し始めた。
「…あ、もしもし。
マスター、今日はお休みですか?」
電話の相手はどうやら
マスターらしい。
「……はい?え?」
颯太の顔は驚き
言葉にならず声をあげている。
「ちょっ…どういうことですか?
は?え?どこにいるんですか?」
マスターに何かあったのかな…
「…はぁ…わかりました。
はい…はい。いえ、大丈夫です。
はい…では失礼いたします」
電話を切った颯太は
しばらく携帯の画面を見たまま
固まっていた。
「颯太さん?…どうしたの?」
心配した彩芽が
顔を覗き込む。
「マスターは今
沙月様とご一緒だそうです…」
その言葉に彩芽は目を見開く。
「え?…ママ?」
だってママは今
イタリアにいるのに…
そもそもなんで?え?
「…どうやら、マスターの
昔の好きな人は沙月様のようですね…」
へぇー…マスターがママに恋か!
………ん?
待って…
え?ママ?
ええ?
ええええ??
「ええええええーーー!!」
彩芽は閉まっているカフェの
扉の前で思わず叫んだ。