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「私が欲しいですか?お嬢様」
第26章 マスターの恋模様
イタリア・フィレンツェ
イタリアは日本よりも
7時間ほど時間が違う。
今、日本は11時すぎたあたり。
イタリアはまだ午前4時過ぎだ。
こんな事なら
あいつにイタリアに行くと
話しておけば良かったと
後悔している。
「ちくしょう…こんな時間に
電話してくるとは…」
布団で寝ていた俺を起こしたのは
うるさく鳴る携帯。
誰だよと悪態つきながら
出た相手は颯太だ。
俺は眠れなくなったので
布団から出て
ベランダで煙草に火をつけた。
「ふぅ…」
煙草に火をつけたまま
俺は振り返る。
ベッドに眠るのは愛しき人だ。
そういう関係なのかって…
いや、いわゆる生殺し状態。
好きな女にイタリアまで
来てほしいって言われて
まぁ素直に来てしまって。
一緒に寝てほしいとまで言われ
ここはするしかない!と
思ってたんだけど
いざ、寝顔を前にしたら
いやぁびびって出来ない。
チキンなのよ…俺。
っていうのは嘘。
ほとんはあいつの気持ち
ちゃんと知ってからじゃないと
したくないからね。
いや、まぁ生殺しは辛いですけど。