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「私が欲しいですか?お嬢様」
第26章 マスターの恋模様


こうして、俺は
店の事とかがあるので
沙月よりも1週間遅れて
イタリアに来た。


「しっかし…でけぇ家だな」


イタリア・フィレンツェにある
名雲家の別宅。

まぁ男としては、ちょっと
情けなくなるな。



自分よりも好きな女の方が
稼いでるわけだし。


だが、俺もまたただ
着いてきたわけじゃない。

イタリアにある、あらゆる場所の
カフェを巡りたいと思ってる。


独り言をつぶやき
色々考え事をしていたら
ベッドに眠る愛しい人が
目をうっすら開けた。


「…じゅ…んやさん…?」


俺は近づき、ベッド脇に
軽く腰掛けると
座りやすい様にと少しだけ
沙月が動く。


「…どうした?」


「ううん…なんで…起きてるの?」


「ああ…」

俺は携帯をチラつかせて答えた。

「彩芽ちゃんの執事の颯太から
カフェがお休みだから
どうしたのかと電話してきたんだ」



「そうなの…。
あ、そっか。向こうは今お昼だもんね」



俺はまだ眠そうにする
沙月の髪の毛を撫でた。

「眠いだろ?寝てていいよ」


「純也さんは…?」


「んー。俺は少し散歩でも
してこようかな?」


純也がそう言うと
沙月は起き上がった。

「あたしも行きたいっ!」


「ぷっ…わかった。
じゃあ一緒に行こう」






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