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「私が欲しいですか?お嬢様」
第26章 マスターの恋模様




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彩芽様と2人で
テラスにてお昼を食べている最中。


胸ポケットで震える携帯。


表示を見ると母親からだった。


「彩芽様、申し訳ありません。
母から電話ですので少し離れますね」


「うん、わかった」



母親からの電話は約1年ぶり。

いい予感はしない。


「もしもし」


ーやっと出た!長いわよ!
いつまで待たせるつもり!?


「申し訳ありません。
執事として任務中なので…」


ーまぁいいわ。執事なんて
まだやってるのね?
いい加減帰ってきなさい。


「いえ、帰るわけには
行きません。私は今専属ですので」



ーは?何を言ってるの!
とにかく帰ってきてお父様と話を
しなさい!


「私が継がなくとも、
兄様がいるではありませんか。
父と話をと毎回言いますが
あなたはいつも私と父が会わない様に
スケジュールを組んでいますよね?」


ーうるさいわね。
とにかく、今回は違うわ。
お父様が呼んでいるのよ。
いいわね、とにかく帰ってきなさい。






相変わらずキンキン煩い声だ。


「わかりましたよ。
お嬢様に伺ってから行きます」



ー伺う必要なんてないわよ!
ちょっと!?

「では、失礼します」



プツ…



あの女狐がまたうるさくなる。



その前にきちんと話をつけなくては。


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