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「私が欲しいですか?お嬢様」
第26章 マスターの恋模様

きゅっ…


「……!」

握りしめていた手を
急にぎゅっと強く握られ
俺は驚いた。


背中で感じた視線。

また何か考えていたのだろうか。

俺もまたそれに答える様に
強く握りしめた。




もうすぐだ。





「ほらっ…着いたぞ」


目の前に広がるフィレンツェの街並み。

アルノ川がとてもきれい…

「…すご…きれい…」



沙月はまるでその景色に
飲み込まれていく様に柵に手をかけた。


純也はその後ろ姿を
優しく見守る。


ミケランジェロ広場にきたら
のんびり過ごす。

これがイタリア流。


「ほんと、きれい…」


目の前にあるアルノ川

ドゥオーモのクーポラ…


左の橋は…

なんだっけあれ…。

「ねぇ、純也さん
あの橋はなんだっけ?」


沙月が指さす
左側を見るとキレイに見える橋が1つ。

「ああ、ベッキオ橋だな」



「そう!それ!
ほんとキレイ!!」




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